「もう、中国の高いビルは必要ない」経済成長率7%のカンボジアで違和感を感じ、環境問題に取り組む、パドゥ。

経済発展を遂げた日本で生まれた私たちなら知っている、

経済発展が必ずしもいい面だけでなく、多くの環境問題を引き起こしたことを。

年7%という急激な経済成長率を記録するカンボジアで、環境問題に気付く人は少ない。

そんなカンボジアで、「もう中国の高いビルはいらない」と経済発展のあり方に疑問を持つ青年、パドゥ。

サスティナブルなカンボジアの未来をつくろうと環境問題に取り組む、彼の哲学に迫る。

 

※援助、投資、政治の面で、カンボジアでの中国の存在感はひときわ強く、不動産ディベロッパーの多くは中華系である。

 

Mr. Phan Phadeth(23歳)

王立プノンペン大学フランス語学科を卒業後、フランス語の講師をつとめながら、2016年にリサイクルフェアを立ち上げ、ディレクターを務める。

 

ゴミは、川に投げ捨てるか、燃やすのがあたりまえのカンボジア

f:id:now-ist:20180620013353p:plain

パドゥが住むタクマウ地方の川にて。「みんな、橋からゴミを投げるんだ」

 

2000年頃から、プラスチックが輸入され、日常的に使われるようになってから、僕の村に変化が起きた。それまでは、ハスの花、バナナの皮、ヤシの葉など、自然の素材で、バッグが作られたり、食品の器となったりしていたんだけど、簡単に使えるプラスチックが代わりに使われるようになったんだ。

ガーベッジ・コレクター(ゴミを収集する人)がいるのは、プノンペンなどの主な市だけで、地方に行くと、ゴミを収集する人がいないんだ。

僕の村でも、使われたプラスチックは川に投げ捨てられるか、燃やされている。

そして、プラスチックを燃やすと、空気は汚染され人体に害を引き起こす。

以前は、川で泳ぐとフレッシュな気持ちになっていたんだけど、今では川で泳ぐと皮膚がかゆくなるんだ。魚が捕れる量は減って、より食べ物は外国からの輸入に依存してしまうようになった。

そして、ゴミが多いと観光客は離れていき、観光業にとっても打撃が起こる。

 

自分の村が汚れていく様子を見て、リサイクルプロジェクトを立ち上げる。

そういった自然の変化に危機感を感じて、2016年から、環境活動を始めたんだ。

地元のユースセンターの協力を得ようと相談したが、支持している政党が異なるということで、協力が得られなかった。

ユースセンターの人から、「アイディアがあっても、君は貧しいから、お金がないからできない」と言われた。

そのときに「他人にどう言われたって不可能なことを可能にできる」と思い、自分でリサイクルプロジェクトを立ち上げたんだ。

現在行っている具体的な活動は、「リサイクルフェア」という教育イベントと、月2回のゴミ拾いをチームでしているよ。

 

f:id:now-ist:20180620013609p:plain

リサイクルフェアでは、環境問題を訴えるアート作品の展示も行う

 

リサイクルフェアというイベントは、年2回くらい、パゴダ(お寺)で開いていて、

環境問題を伝えるアートや、プラスチックやゴミで作ったアート作品の展示をしているんだ。

そして、プレゼンテーションやワークショップを通じて、リサイクル活動や、ゴミ問題について伝えている。

同時に、小さなコンサートも開くんだ。若い人たちに楽しいと思ってもらえるように人が集まるようにイベントを作っているよ。

リサイクルフェアで集まったアート作品の収益や募金で本を買って、村の学校に本を寄付をしているよ。

 

f:id:now-ist:20180620013534p:plain

ゴミ拾い活動は月2回、地元のタクマウ地方で行っているよ。

ゴミ拾いをしているところを多くの人が見て、応援してくれる。

このアクティビティを通じて、人々にカンボジアの環境問題を考えてもらうきっかけになればいいな。

1人で始めた環境活動だけど、カンボジアの首都プノンペンでも多くの環境活動団体があり、

これまで他の環境活動団体のイベントに参加したり、ボランティアをしてた経験があったから、

どのように活動すればいいか知っていたんだ。

今では、環境活動に全体で60名のメンバーが関わってくれている。

 

f:id:now-ist:20180620013757p:plain

清掃活動に集まるメンバー。みんなが楽しそうに活動しているのが印象的だった。

メンバーは、社会に対して何かしたいとか、子供の環境教育に携わりたいとか、自然が好きだからとか、みんなで集まると楽しいからという動機で集まってくれる。

高いコミットをしてくれる仲間がいるから、挑戦できる。そして、問題があっても解決できるんだ。

これから、環境問題を伝えるために、ゴミとされたプラスティックで作ったドレスのファッションショーの開催や、ショートフィルムをつくっていきたい。

メンバーにどんどんリーダーになってもらって、プロジェクトを進めていきたい。

 

マテリアリズム(物質主義)に支配されている。

教育を受けていないから、知識がないがために、ゴミを川や道に捨てている人もいる。

しかし、高い教育を受けている人でも、環境を気にしない人がいる。

彼らはお金のことにしか気にしないんだ。

高いブランド物がほしい、いい車がほしい、オシャレな服が着たい、レストランでお金をたらふく使い、消費する、マテリアリズム(物質主義)に支配されているんだ。

メンバーの中でも、マテリアリズムだった人も、活動を通じてマインドが変化していった。

そして、今、リッチな人と貧しい人の格差が激しい。

局地的に経済発展していくのではなくて、全体的に持続可能な発展していくべきだ。

f:id:now-ist:20180620013846p:plain

この間、僕の村のこの土地一帯が中国企業に買われたんだ。これから開発されて、高いビルが立つよ。

湖を埋め立てると、雨季(雨が降る季節)に、雨が湖に流れることができなくなって、街に水はたまってしまう。今後は生活用水を直接川に流すだろうから、川の汚染が進むだろうね。

クメール(カンボジア)の伝統的な建築物は美しいんだ。海外からの評価も高い。

しかし、中国の建物はシンプルでクオリティも低いから、ここには必要ない。

もう、こんなにも高いビルはいらない。かわりに、公園や図書館をつくろうよ。

大きくて、動物がいて自然あふれる公園と、子供たちのための図書館をつくろうよ。

 

ビジネスを通じてお金を稼ぐんだ。そして、子供達の教育のためにお金を使いたい。

僕は、将来やりたいことがある。

自然の中でホームステイや瞑想をするツーリズム事業。

そして、今は回収されたプラスティックや空き缶はベトナムに持って行ってリサイクルされていて、

カンボジア国内にはリサイクル施設がないから、リサイクルファクトリーを作りたい。

また、カンボジアに輸入された食べ物はケミカルで危ないから、安全なフードビジネスもやりたいんだ。

ビジネスを通じてお金を稼いで、子供たちの教育システムを向上させるためにお金を使いたい。

カンボジアには図書館があまりないから、図書館をつくりたいんだ。本を通じて子供達の世界を広げることができる。

 

自分勝手にならず、何かをするときはまず自然に尋ねればいい。

f:id:now-ist:20180620013935p:plain

何かをするときはまず、自然に尋ねてみて。

その行動は持続可能か考えよう。そして、知識をシェアしよう。

今、僕は、自分の水筒を持っていて、自分のバッグを持ち歩いている。

 

パドゥに、「応援メッセージを送りたい」「感想を送りたい」など、
以下「伝える!!」より、コメントにご記入いただき、お送りください。
パドゥにお伝えします。

伝える!!

#valuexchangeID: PA0

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

特技:勢い                                  社会をよりよくしようと動いている人が好きで、 そのような方を応援することで、 わたしたちのつくりたい社会がつくれると信じ、#value!を立ち上げる。